歯科医院によって、治療に対する考え方、設備も違いますから、同じ症状であっても治療法や方針が異なるのはよくあることです。これを利用し、複数の歯科医師の意見を聞いてみることで、納得のいく治療を受けられる確率が高まります。
ただし、どのような治療法にもメリットとデメリットがあります。そのことをふまえて、歯科医師からしっかりと説明を受け、ご自分が納得できる治療を受けましょう。
セカンドオピニオンとは、診断や治療方針についての、主治医以外の医師の意見をいいます(2人目の医師の意見がセカンドオピニオン、3人目の医師の意見がサードオピニオンです)。
「抜歯を勧められたけど、本当にそれでいいの?」と思ったとき、セカンドオピニオンを利用し、主治医以外の専門的な知識のある医師に相談すれば、不安が解消し、納得する治療を受けられるでしょう。
近年は治療法の選択肢が増えてきているため、セカンドオピニオンを受けることで別の治療法を提案される傾向があります。もちろん、主治医と同じ治療法を提案される可能性も十分考えられます。いずれにせよ患者様が治療について理解が深まり、不安な気持ちが解消され、納得の上で治療を開始できるでしょう。
セカンドオピニオンを求めるにあたっての決まりはありません。一般的には保険診療の場合ではなく、費用が高額な自費診療の場合にセカンドオピニオンを求める患者様が多いようです。
特にセカンドオピニオンが有効なのは以下のような場合です。
- 重度の虫歯治療
- 重度の歯周病治療
- 重度の顎関節症治療
- 矯正歯科治療
- 噛み合わせ治療
- インプラント治療
- 入れ歯治療
- 審美歯科治療
- ホワイトニング
自費診療の場合、歯科医院の設備や歯科医師の診療方針などによって異なります。また、治療費も自由に設定できるため、医院によって差が出てくることがあります(保険診療は、法律で定められた治療法や治療費が適用されるため、歯科医師による診断に大きな差はありません)。
こういった場合は、主治医以外の別の歯科医師にセカンドオピニオンを求め、自分にとって納得のできる治療を提案してくれる医院を選ぶことができます。
セカンドオピニオンは、複数の歯科医師の意見を聞くことによって、自分に合った治療法を選択できるものですが、自分のやりたいようにやってくれるからいい歯医者だとは限りません。主治医に抜歯が必要だと診断され、その提案が不満だと思っても、医学的な見地からそうしなければならないことが明らかであれば、抜歯することが望ましいのです。
セカンドオピニオンを求める目的は、自分の意見を受け入れてくれる医院を見つけることではない、というのを覚えておきましょう。治療のメリットだけでなく、デメリットも冷静に聞き入れ、どうすることが将来性のある治療なのかご自分で見極めることが大切です。
歯科治療を受ける場合、紹介や知人でもない限り、初めて会った歯科医師に治療をお願いすることになるのが通常の流れです。しかし、医院の看板を見ただけでは、どんな歯科医師がどんな方針で治療をすすめていくのかなんて、分からないことがほとんどでしょう。歯が痛くて歯科医院を訪れてみたものの、治療を始めてみたら不満だらけ……なんてこともあり得るのです。
セカンドオピニオンは、これらの不安を取り除くためにも役立ちます。ただ第3者的な意見を聞くだけでなく、初めて会う歯科医師と会話を通じて信頼できる医院かどうか見極めることもできるのです。